サンディー『イーティン・プレジャー』

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誕生日はサンディーで祝うことにしました。本作は80年リリースの細野晴臣プロデュース作。思った以上に音のキレがいいですね。

サンディーといえば『MERCY』なので活動のピークはワールド・ミュージック攻勢以降、というイメージがあるんですが、この頃、つまりサンディー&サンセッツの頃というのはまだ成熟味がなくて突っ張っていた時期なんじゃないかと思います。内容も実験的なアプローチが多くて少しびっくりしました。

何といっても偉いのは『Drip Dry Eyes』のオリジナルが入っていることですが、実際に聴いてみると高橋幸宏のセルフ・カバーに比べてレゲエのダブ・バージョンのような趣で当時の細野晴臣、あるいは坂本龍一の『B2-UNIT』のような感覚を想起させます。音が粒だっていて、ちょっと過剰な感じもする。YMO陣営フル参加ですので当時の作品の一種のバリエーションとも見ることが出来そうですが、どうにもポップさが足りない。そういう意味では時代を聴く感じでしょうか。

『JIMMY MACK』が入っているのでスネークマンショーを思い出すところもありますが、何といっても30年以上も前の作品ですから、それにしては音が古びていないと見るべきでしょう。昨日の高橋幸宏のコンサートはテクノリサイタルと銘打ったテクノ復活祭だったようなので、今年は少し揺り戻しがあるかもしれません。『バレエ』から始まったそうですので。

質感に少し違和感を覚えつつ、やはり『MERCY』かなと確信した1枚でした。