スコラ 坂本龍一 音楽の学校 電子音楽編第3回

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3回目はシンセサイザーが主題でした。やはり思った通り数学的。パッチとかフィルターとか、アプリやオーディオに関連する単語が出てくるので改めて親近感が湧きます。ハイパスフィルター、ローパスフィルターといった用語は音質系でよく使われる言葉ですね。

元々がシンセサイザー自体、音の波形を再現する道具であることから、単一波形ではなくてあるパターンをあらかじめ用意しておいてそれを加工していく。かつノイズをそれに混ぜたりタイミングを調節したり、といった構築の様は遊具のようです。そして今度はそれを切り貼りしたり数字に置き換えて入力したりして組み合わせの美学を追究していく。この作業はまさに数学的です。これは夢中になるのは分かる。かつ今のエンジニアがかつてそうした体験をし、現在に至る過程も垣間見ることが出来ます。

御大松武秀樹が登場するのは想定内ですが、演奏する様が解説後に観るとよく分かってくる。何故にツマミが数多くあって、何故にピンコードが様々な場所に接続されているのか、それは一体何だったのかが一部ではあれ理解可能となります。

そこに自動演奏が入ってくると今度は偶然性も手に入れることが出来ます。化学変化が生じるので更に現場が面白くなったことが容易に想像できます。これはスタジオに籠りたくなるわなあ。面白いですよね、恐らく仕事が。このデジタルへの熱狂は現在PCが一人一台支給される職場環境においては一般人でも僅かながら味わうことが出来ている。その無限に進む感じと熱狂、及び疲労、という現実を写し取っているような気がします。