スコラ 坂本龍一 音楽の学校 日本の伝統音楽編第5回

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日本の伝統音楽も今回が最後となります。今回は三味線と語りの話でした。

人形浄瑠璃義太夫節といった音楽に話が及びますが、三味線の演奏者の方が対談中におもむろにチューニングを始めて歌い出すところが意外とカッコよかった。その上でテンポやコードをあえて三味線の音からずらしていくというのが粋であるという考え方。これはなかなかしびれますね。

先回りして三味線の音が語りの音の先を走る、というより合わせていく所作も面白い。これは実際にじっくり聴くとなかなか刺激的なんじゃないかな。三味線はフレットレスなので、音も結構変化があって、音階がグングン動く。トータルで表現されるものは勿論物語な訳ですが、音楽としても発見の余地はあるんだなあ。

日本の伝統音楽のシリーズは結構長丁場でしたが、歌舞伎にはほんの少ししか触れられていない等、時間が足りないこともコメントされていました。膨大な蓄積に酔うのは演奏者がまずそうなって、観ている側も引き込まれていく。異界との通信から大衆芸能まで、文化の推移は時代を反映していて、かつそれらが並行して継続していくという、音楽がいかに生活と共に存在するかを見せつけられたような気がしました。

さて次回からはガラッと変わって西洋に飛んでいきます。楽しみですね。