ニュー・オーダー『Republic』

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後期のニュー・オーダーは本当にポップで出始めの頃のアブストラクトな感じがオブラートに包まれた印象があります。ニュー・オーダーと言えば12インチシングル、という感覚があったので持っていた作品は『サブスタンス』くらいなんですが、『クラフティ』の何とも言えないポップさにやられて『Waiting For The Sirens' Call』だけは買っていました。ここへ来て『Regret』のリフが頭の中をループし始めてしまったので本作を手にした次第。

想像通りのポップな音。安心して聴けてしまう。そこには危険さがない。それでも耳を捕えるのはデジタルなビートとピーター・フックのベースです。後期はそこにメロウなメロディが加わっている。20年以上前の作品ですが古びていないですね。

とはいえ聴いていて懐メロ的に響いてしまうのも確か。ニュー・オーダーが来日時に何故にあれ程盛り上がるのか、それは時代性によるところが大きいのかもしれません。80年代を象徴する存在としてその後も汎用性を身につけながらしぶとく生き残ったバンド。しかも一定の型があるからツボに入るとやめられない何かがあるんだと思います。

『ブルー・マンデイ』で出てきた時は「何者なのか」と感じたものですが、それがこうした形で進化したというのは不思議な出来事だと思います。