ダンスマン『ミラーボーリズム3』

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こちらもレンタル落ちで何と10円で売られていました。流石に安過ぎますが、それ程までにパロディものというのは軽視されるということでしょうか。ダンスマンは真面目にハイクオリティなパロディをやっているので聴いていて単純にカッコいいし、唸らせられる場面も多数ある素敵なアーティストだと思うんですが・・。

古くはラトルズに始まり近年では人気も出てきたレキシなんかもそうですが、とにかく真面目に面白いことに取り組んでいる。どうしても聴く側がマニアックになってしまうきらいもあるのでバンド自体が長続きしないのかもしれませんが、このダンスマンも含めて大衆性を兼ね備えているところが凄いと思います。普通の人が聴いても楽しくなるように出来ている。その上で深堀りしていくとより楽しい、という倍の楽しみ方ができるのがパロディの醍醐味だと思います。

このアルバムでは『釣りしよう!ほら、サオ振ろう!』が素晴らしくて、レンタルで借りてMDで何度も聴きました。元ネタはバーケイズなんですね。元ネタを知らなくても歌詞の乗せ方で充分楽しめる作品です。ダンスマンはジャクソン・シスターズをベースにした『ミルク好き』やシングルにもなった『Jazz Soul Funk』等の名曲がありますが、この曲もそれに引けをとらない名作だと思います。

アフロヘアーに長いもみあげの印象的なキャラクターと相俟ってもっと露出されればよりメジャーになったのではないかと思いますが、若干今は忘れ去られつつあるのが現状です。雰囲気的にはクレイジーケンバンドにも共通する要素があってやり方次第では長寿バンドにもなり得たと思うんですが、笑いの要素が入ってくるとどうしても時代に流されてしまう。ただ、クレイジーキャッツのような例もありますので、時代を超えて再評価される日も来ないとは限らないと思います。