トッド・ラングレンズ・ユートピア『Live at Hammersmith Odeon 75』

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先週聴いたユートピアのライブ盤を調べていたら2年前に発売されていたのを知った75年のライブ。こちらはトッド・ラングレンズ・ユートピア名義ですので、まだユートピアプログレ期の頃のライブとなります。丁度『Another Live』と同じ頃ですね。

まずこちらの方が音がいい。先日聴いたライブは78年。その3年前のはずなのに何故古い音源の方がいい音なんでしょうか。単に保存状態の問題だけなのかもしれませんが、いずれもリマスターされて出されているようですので、年代と音質は必ずしも比例しないんですね。不思議な話です。とはいえこの時期の音源がこうした良い状態で楽しめるのはありがたいことです。

第1期ユートピアプログレ志向が強くて、キーボードが3人もいたんですが、この頃はそろそろ次の段階に移りつつある直前の時期。キーボードもロジャー・パウエル一人となっています。ドラムはウィリー・ウィルコックスですが、ベースがまだカシム・サルトンではなくジョン・シーグラーとなっています。演奏される楽曲も『Todd』周辺からのものが多くて、このあたりは73年、74年から地続きであることを感じさせます。メンバー構成が若干絞られてきたことで演奏もコンパクトでダイナミックになって来ている。それにしてもこの時期のトッドは常に爆発中だったんですね。とても元気な演奏です。

『Another Live』とかぶる楽曲も多くて、時期的にもそのバリエーションと捉えることもできそうです。これは素晴らしい発掘ですね。アーカイヴものの絶えないリリースはファンにとってはありがたい。今回のライブ盤のリリースがなければ危うく見過ごすところでした。