ジャパン『Assemblage』

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初期ジャパンは『Life in Tokyo』から始まったといっても過言ではありませんが、その前に暗黒の1stと2ndがありました。本人も聴く価値はない、といった類いの発言をしていますので聴かなくていいと思いますが、この編集盤には前半5曲に入ってしまっています。今回初めてまともに聴きましたが、なるほどグラム・ロックデヴィッド・ボウイの影響が色濃い気がします。

後半『Life in Tokyo』から始まる怒濤の初期楽曲はジョルジオ・モロダーのプロデュース手腕によって洗練度が増して、その後の方向性を決定づけています。基本的にシンセとブラスが加わってくるんですね。ミック・カーンのベースもフレットレスになって来て、その後のジャパンの定番が形成されて行く。その過程にヴェルヴェット・アンダーグラウンドスモーキー・ロビンソンのカバーが存在していたというのは興味深い事実です。

『Life in Tokyo』や『European Son』のキラキラした感じはこの時期にしかない煌めきですが、その後美しくもデカダンな時期を経て暗く沈み込んで行く展開で極限までの緊張感を醸し出して行った流れを辿って行く様はこの時期の音源にはまだ読み取れない。その内省はどこに端を発しているのか。恐らくは何らかの反動があったんじゃないかと推測しています。