YMO『L-R TRAX 』『LIVE AT KINOKUNI-YA HALL』

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05年に出たこのライブボックスセットは発売当初メンバーの意図に反したリリースである旨のメッセージが公開されたこともあり、手を出さずにここまで来ました。ただ、再始動後のYMOはライブバンドの色合いが強く、また小池光夫のリマスターによる音質向上が目覚ましいとの話もあったことから、たまに目にした中古を何となく気にかけていたという次第です。結局連休中のお楽しみとして手にとってしまいました。

YMOのライブは正直言って余り興味がなかったのも事実です。スタジオ盤と異なり特に初期はフュージョン色が濃く、自分の興味対象外でした。ところが再発された高橋幸宏監修の『ONE MORE YMO』なんかの音を聴くとやっぱりいいんですね。グルッと一周廻ってやっとその価値が分かって来たのかもしれません。やっぱり近年のライブを沢山見た影響が大きいかな。WORLD HAPPINESS様々です。

この音源は78年のライブですので、レパートリーも1stと『千のナイフ』からのものが中心です。YMOはMCがないと思っていましたが、ここでは細野さんのメンバー紹介があるじゃないですか。MCの雰囲気的にはクラウン時代のソロを彷彿とさせるものがあり、70年代と地続きであることが見て取れます。ギターは渡辺香津美

アルファ商法から始まってソニーのビジネスへ。このボックスも何となく『テクノバイブル』を想起させますが、commmonsになってやっと満足のいくリリース形態を手に入れたのではないか。ただエンジニアの仕事は決して否定されるべきものではない。その成果を耳に刻んでいきたいと思います。