ポール・マッカートニー&ウィングス『Band on the Run』

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先日、会社の人がポールの東京ドーム公演に行って来た話を喫煙所で聞いたんですが、全37曲2時間半、ビートルズの曲もたっぷり含んで非常にパワーをもらった旨話をしてくれました。ところどころ怪しい局面もあったようですが、概ね感動。これで半年は持つ、という充電みたいな話でしたが、それだけ皆にパワーを与えることが出来るなんて、音楽というのは本当に素晴らしいものだと改めて思います。

だからという訳ではないですが、本作はしばらく物色していました。実はこのアルバムは以前持っていたものを失礼ながら売ってしまっていて手元にありませんでした。デラックス・エディションは最早市場にはなく、とはいえ聴きたいので500円くらいの中古を手にとりました。とかくポールについては失礼な振る舞いをしてしまっているように思いますが、大衆音楽なんだからそれでもいいのかな、と思います。山下達郎が紙ジャケに懐疑的な理由は限定盤で常に手にとれる状況が維持できないことだそうですが、それはまさしくその通りで、常に聴き手の手の届く範囲に作品が用意されているのが理想だと思うんですね。そう考えると中高年の物欲にピンを絞ったリリースにまんまと乗せられていくのはどうか、という話になります。とはいえ手が伸びてしまうんですが。。

で、久々に聴きましたが、やっぱりあんまりピンと来ない。売った理由は忘れてしまいましたが、恐らくポールは『RAM』で充分、と考えていたんだと思います。何となく本作は薄っぺらく感じていた。でもポールが復活した作品だし、いい曲も含まれているので売ることもないだろうと反省しています。構えて聴くと肩透かしを喰らうので、自然体で楽しむのが一番です。