オーネット・コールマン『Virgin Beauty』

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次は先日亡くなったオーネット・コールマンです。貸してくれた先輩はジャズのギタリストなので当然ジャズにも造詣が深く、色々と教えてくれました。

フリー・ジャズと聞いてご他聞にもれず難解な内容を予想していたのですが、意外と軽快な内容でした。そもそも創始者の意に反してフリー・ジャズ自体が誤解されて語られていったようなのである意味当然かもしれませんが、特に本作は80年代後半の比較的最近の作品なので、音も軽めに聴こえるのかもしれません。とはいえ考え方がまず根本的に違う。

理論の詳細についてはまだ理解でき切れていませんが、要するに「歌う」ということなんだそうです。オーネット・コールマンはコードの呪縛から解放されてサックスで「歌って」いる。そしてベースもギターも、ましてやドラムまでもが歌っているのがフリー・ジャズなんだそうです。特にドラムの話は印象的でした。各パーツのチューニングで音階を作ってフレーズで歌うなどという考え方は少なくとも自分にはありませんでした。

本作がそうかというと少し違うように思いますが、この自由さというのがそもそも「フリー」の意味合いであり、その前に存在したビバップとの相対的な違いとなっている。理解が浅いかもしれませんが、結論としては構えて聴くものではない、ということだと思います。もう少し聴かないと分かりませんが、少なくとも本作はちょっと電子楽器寄りで音も軽過ぎるので、もう少し昔の作品を聴いてみたいと思っています。恐らく貸して頂いた意図はジェリー・ガルシアの参加が理由かと。