Yellow Magic Orchestra『NO NUKES 2012』

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2012年の時点でこの熱狂。

突如リリースされた3年前のライブ音源。一連の再活動の締めくくりの時期の演奏は比較的初期の楽曲を中心にストイックに演奏され、かつビートが力強かったことを思い出します。当時のセットリストの中で意外に思ったのは『アブソリュート・エゴ・ダンス』がライブで初の演奏だったという事実。

過去音源と聴き比べてみても遜色ない勢いを持っているので、そのままの疾走感でもう少しいくかな、とも思っていましたが、一方で選曲がオーセンティックになっていることで懐メロ化も避けられない、すなわち掘り起こす対象が限定されているから今後の活動に幅を出していくことが困難になる可能性も否めない、と思ってもいたので、ここらで一旦ピリオドを打つのも良いかもしれない、と漠然と感じていました。

坂本龍一が病魔に倒れてその後つい最近復活していますが、当時の時点でも細野晴臣は体力的に夏のライブを敬遠していたので、主に健康面において限界にあったことも事実でしょう。海外のバンドが復活してはメンバーの死去などで活動停止を余儀なくされたり、国内ではムーンライダーズのようにメンバーの追悼での復活後にまた別のメンバーが倒れたりと、端的に加齢による活動限界が訪れている、というより既に活動すること自体に無理がある、という単純な事実を目の前に突きつけられているのが昨今のオールドファンの宿命というもの。聴く側は演奏者の健康を祈りつつ、淡々と日常を強く生きていくことを教えられているように思います。