シュガーベイブ『SONGS -40th Anniversary Ultimate Edition-』

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これで何枚目の購入となるのか。

恐らく究極のバージョンであるシュガーベイブ唯一のアルバムの再発は、リマスターとリミックスの2枚組という変則的な形でのリリースとなりました。最初にアナログで聴いて以来既に何十年と経過していますが、未だに色褪せない魅力を携えた作品です。

話題のリミックスですが、リマスターがかなり音圧があって荒々しい印象であるのに比べて、リミックスの方は落ち着いて聴こえました。恐らくヒスノイズは慎重に排除されているのではないか。かなりスッキリと聴こえますし音圧も控えめ。それに比べてリマスターの方は音割れギリギリの迫力で、最後の大滝詠一の「そんなんアリかよ」もくっきり聴こえます。リミックスでは余り聴き取れない。今回でいえばリマスターは迫力、リミックスはクリア、といった感じでしょうか。いずれにしろ贅沢な作品となっています。

ボーナストラックも沢山入っていますが、何といっても伊藤銀次の「こぬか雨」や山下達郎大貫妙子それぞれのソロに収録された「Windy Lady」「愛は幻」等が聴けるのが嬉しい。そして白眉は仙台の演奏での「今日はなんだか」で、この激しく押してくるリズムはまるでオルタナティヴのようです。上原裕のドラムというのは凄かったんですね。何といっても元村八分だもんなあ。今回曲毎のクレジットが詳細に掲載されているのも魅力ですが、結構上原裕が叩いていたんですね。知りませんでした。

10年毎に不死鳥のごとく蘇るシュガーベイブも恐らくはこれが最後。この後山下達郎の一連の諸作が40周年記念盤として蘇ることを期待しつつ、また聴き続けていきたいと思います。