通勤時間が長いのでiPodはアーティスト毎に聴いているんですが、この年末に聴いていたのはキンクスとコステロでした。キンクスでは『この世はすべてショー・ビジネス』、コステロでは『ブルータル・ユース』を再発見しましたが、双方ともキャリアが長くてまだまだミッシング・リンクが存在するので、今回そのひとつを埋めたということになります。
この作品は81年リリースのカバー集。それもカントリー主体です。売れなかったそうですが、確かに派手さには欠けるかな。タイトルに反していい調子の曲ばかりではあれ、つかみに欠けるきらいがある。そもそもカントリーのカバーで全編占めるというのがコンセプトとして地味過ぎる。それでも『キング・オブ・アメリカ』では大成功する訳ですので、要はコンセプト次第です。
それにしても、どの曲を聴いてもカバーとは思えない程自分のものにしていて、この辺りは矢野顕子同様「人の曲は自分の曲、自分の曲は自分の曲」というなかばジャイアンみたいなコステロ節。個性の強いアーティストだと思います。ボーナストラックが11曲も入ったMSIからのお得な再発盤でした。