鈴木茂『LAGOON and SUMMER BREEZE』

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一体、鈴木茂に何があったのか?

75年に『BAND WAGON』を発表し、その後ハックルバックを結成して9ヶ月で解散。『LAGOON』はその後の76年に発表された作品です。ここにはキレッキレの鈴木茂の姿はありません。穏やかな佇まいで日溜まりの中に立つその姿はある意味何かを悟ったかのようです。

その後アレンジャーとして活動のメインを移行させていく鈴木茂の原点がここにある。従って自分も鈴木茂の作品はここまでしかフォローできていない。唯一本作はベスト盤とのカップリングなので「ソバカスのある少女」が収録されているのが救いで、この1曲のみが輝く名作として燦然とその姿を時代に刻んでいます。

演奏陣は豪華。ティン・パン・アレーの面々から始まって当時の強者が顔を揃えています。そこで展開されるフュージョン一歩手前の雰囲気は完成度こそ高いものの、鋭く時代を切り取るエッジには欠けていると言わざるを得ません。