スクイーズ『Cool For Cats』

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79年リリースの2nd。まだ初期といった感じですが、ここからスクイーズらしさが表現されていきます。

シングル曲の「Up The Junction」なんかはいい曲ですが、全体的にはバラツキもあって決め手に欠けるきらいがある。ただここには後のスクイーズに展開される懐の深さ、というよりも捉えどころのなさが充分に表出していて、当時XTC等と比較されながら紹介されていたニューウェーブっぽさというよりパンク出身の勢いのいいバンド、といったテイストが何となくは分かる雰囲気を漂わせていて、80年代初頭のイギリスのポップス、という感覚が滲み出て来ています。ポリスなんかも近い存在として捉えられていたんでしょう。初期のマネジメントはスチュアート・コープランドの兄貴ですし。

参照する対象が広いからピントが絞れない。表現領域が汎用的だからカテゴライズしにくい、といった理由で訴求に苦労するのはよく分かります。何事にもプロモーションには前例やカテゴライズが必要になりますので、扱いが難しいのはよく分かる。本国である程度支持を得ていれば尚のこと、文化の違う国では出自が読めないとその理由が分からないので結果埋もれていってしまう。スクイーズ知名度の割に日本でメジャーにならないのはそんな理由があるように思います。