スクイーズ『Play』

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90年代に入って一発目のこのアルバムは聴けば聴く程味が出てくる作品です。最初に聴いた時はほとんど印象に残らない地味なものでしたが、やはり傑作『Frank』の後だけあって、成熟度が半端ではない。2曲目の「Crying In My Sleep」なんかは名曲でしょう。ポップで勢いがあって余裕も感じさせる。もっと評価されていいアルバムです。

復活後のスクイーズにはジュールス・ホランドも加わっていましたが、この作品では再度脱退。どうもキーボード奏者が安定しないバンドですが、やはりスクイーズというのはグレン・ティルブルックとクリス・ディフォードのユニットなんでしょう。そこに核があるのは間違いありませんが、周囲を囲む仲間達が長い活動期間をサークルのように囲んでいる。そういったひとつの集団、ひとつの現象として捉えるべきバンドなんだと思います。そして作品は永遠に残っていく。爆発的には売れなくとも、そのライフワークは精神として時代に痕跡を残していきます。それがとても自然体なのがいいところです。