リトル・フィート『The Last Record Album』

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75年リリース。ここはやっぱりローウェル作の「Long Distance Love」で決まりでしょう。この曲もピーター・バラカンがよくかける曲です。渋い。

次作の『Time Loves A Hero』同様フュージョン色が強くなっているのはローウェル・ジョージ以外のメンバーが台頭して来たからだと思いますが、圧倒的な演奏力が続く後期の作品の中でも際立ったバランスを持つ希有な作品だと思います。タイト過ぎて聴いていると落ち着いて来てしまいます。勿論いい意味でですが。

この熱量をあくまでクールに音楽に変換する技、というよりセンスはミュージシャンズ・ミュージシャンとして君臨したのも頷ける傑出したもので、おいそれと追随は出来ない。ここでもうある種の頂点に達しているのだと思います。スティーリー・ダンとはまた異なる緊張感。ヒリヒリしたものではなくて温かみがあるのが凄い。