昨年出たエリック・カズの41年ぶりのアルバム。こちらもEveryday Musicで紹介されていましたが、高橋幸宏はエリック・カズのことを知らなかったようでした。岡田徹もツイッターで紹介してましたね。
一時期渋谷系の元ネタとしてエリック・カズがもてはやされた頃に『カル・デ・サック』の存在を知って聴いていたんですが、何でも本作はそれ以来のアルバムということです。同作は小沢健二がそっくりな曲を歌っていたりもします。『ある光』ですね。
しかしこの作品はいい。基本はピアノの弾き語り。全8曲で30分程度しか収録時間がないにも拘らず非常に濃密な印象を残す良作です。これが40年も時を隔てたメッセージだなんて何て素敵なことなんでしょうか。最近こうした時を超えた新作というのが届けられることが多いですが、非常に良いことだと思います。音楽ビジネスは効率だけではない。
ささやかな味付けとしてストリングスが入って来るのも必然的で素晴らしい。音楽の骨格だけを提示するような、想像力をかき立てられる作品。聴いているとノスタルジックになります。良作。