アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.1』

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02年にリリースされたXTCのアンディ・パートリッジのデモ第1集。この後第8集まで続くことになります。

XTCの未発表曲は大量にあって、かつてはカナダのファンクラブのために制作されたカセットや海賊版等で世に出ることが多かったんですが、後にNap Star等でも一部聴けるものが存在しました。そんな中でも本作に収録されている「Goosey Goosey」や「Everything」「Wonder Annual」といった楽曲は「何で発表しなかったんだ」と思える程のクオリティで当時からワクワクしていたものでした。

このデモ集はそんな発表されることのなかった楽曲を公式版として収録していくもので、企画が始まってから一体どれ程の物量が出て来るのか、期待して待っていましたが、実際は公式リリースされた楽曲のデモもかなり混在しており、すべてが手放しで楽しめるものではありません。インストの習作や録音時のお遊び等、デモ集にありがちな風景も垣間見ることができて、そういった意味ではマニア向けなんですが、何といっても一部楽曲の突出した魅力には敵わない。XTC好きには堪らない内容となっています。

その後ボックス化もされ、来る再発時には3枚ずつまとめてリリースされることになります。また5.1chミックスでのオリジナルアルバムの再発時に大量のボーナストラックとして各曲が収録されていくことにもなるので他でも聴けることにはなっていきます。

しかし可能であればこのデモ集には12インチのB面曲やCDシングルのボーナストラック等もまとめて欲しかったし、最大の課題であるコリン・ムールディングのデモ曲の収録にも踏み切って欲しかった。コリン自身がこの企画に賛同しなかったのでアンディ名義の作品集となったようですが非常に惜しいですね。