アンディ・パートリッジ『Fuzzy Warbles Vol.6』

f:id:tyunne:20181117082751j:plain

アンディ・パートリッジのデモ第6集。日本盤が出たのはここまで。あまり売れなかったんでしょうか。

「Difficult Age」と「Prince of Orange」はNapstarで聴いたことがありました。基本的に比較的未発表曲の割合が多いディスクです。冒頭の笑い続けるトラックには辟易としますが、アンディ・パートリッジという人はレコーディングをとにかく楽しく行いたい人で、このあたりのエピソードは鈴木さえ子のアルバムをプロデュースした際に大分情報として上がってきていました。その極北として『スカイラーキング』でのトッド・ラングレンとの確執がよく話題に出ますが、未だに二人がTwitter上でで喧嘩しているのを見るにつけ、本当に大変だったんだな、と半ばあきれつつ考えます。

XTCの未発表曲の多さについては90年代の日記に書いたことがありますが、『English Settlements』でのワクワクする未発表曲(とはいっても日本盤未収録やシングルB面という正式にレコーディングした上での楽曲でしたが)でその魅力にやられてしまいました。その後デュークス等の変名バンドでも楽しませてくれましたし、とにかく多作であることがファンには嬉しい限りでした。『Apple Venus』の頃のインタビューで「自分自身を驚かせたい」と語っていたのが印象的ですが、恍惚というのはまずは自宅の作業で訪れる。そのデモトラックの質の高さにも目を見張るものがあって、その後の影響力は多大なものがあると思います。