堀込泰行『One』

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キリンジ脱退後の待望のソロアルバムが届きました。間にカバーアルバムなどはありましたが、本格的なソロ活動としては本作が皮切りとなります。

管楽器を入れてスケールの大きい音楽を志向している、という触れ込みでしたが、なるほど、新展開はありそうです。中でもやはり「Waltz」は出色の出来でしょう。ここでの歌はキリンジでもないし、堀込泰行の過去のイメージでもない。新しい迫力が加わっています。もし、こうした壮大な方向が突き詰められるとすると、これは化ける。そんな期待を抱かせる楽曲でした。

全体的にはまだバラツキがあって、すべてがひとつの方向に集約している訳ではない。但し、確実に新しい息吹を感じるという作品になっていました。聴きやすさは健在ですので、後は屈指の名曲を残して時代に爪痕を残せるかどうか。キリンジで何度も残しているので、更にそれを更新しつつより永遠性を伴うことが出来るか。とても楽しみです。