スカート『サイダーの庭』

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およそ2年半前にリリースされていたこの作品、しばらく様子見していましたが、今回手にとってみたところ既にかなりの好感触でした。大分この時点で完成されています。8曲入りで30分足らずというコンパクトなボリュームながら中身は濃密。既に『CALL』に至る軌跡は見て取れる。

勢いだけでつんのめるような部分は消えて、楽曲の粒立ちが目立ってきている。パーマネントなバンドメンバーで紡ぎ出す音が一定感を出しているため、楽曲のロマンティックな部分が浮き彫りになってきていて、美しさが前面化します。粘り気が足りない部分もありますが、ここで終わっていても充分のクオリティでしょう。勿論まだ前進している訳ですが。

澤部渡に求められていることはメジャー感でしょう。そこはかとなく漂うマイナー性に心配の声が上がりますが、こいつはプロモーション次第だと思います。