細野晴臣『トロピカル・ダンディー』

f:id:tyunne:20181117130203j:plain

トロピカル・ダンディの名付け親は久保田麻琴さんなんだそうです。

細野晴臣の75年リリースのこの2ndは大滝詠一の『ナイアガラ・ムーン』と双璧をなす開拓者精神溢れる作品です。遡って聴いた際に最も印象に残ったのは冒頭の「チャタヌガ・チュー・チュー」の異様なカッコ良さでしたが、その後何年も経って聴き返す度に、良い作品であることをじわりと痛感します。すべてはここから始まっていて、かつ40年以上経った今でも続いている。中華街ライブの再現も2016年にありましたし。

A面で力尽きた、とご本人もおっしゃっていますが、それはコンセプトアルバムとしての統一性、というか熱量の話で、B面も決して悪くはない。しかしそれも今だから言えることで、最初はやっぱり地味に聴こえたのも事実です。強烈なのはやはり次作の『泰安洋行』でしょう。