ラストライブの後半。演奏を聴いているとどうしても映像化された日本公演のビジュアルを想起してしまいますが、こうした記録がきちっと残っているのもこの時期の魅力です。とにかくテクニックには度肝を抜かれました。
「太陽と戦慄パート2」に顕著なように、ノリが若干軽いのと、リズムが走る感じが荒々しさというよりラフさを感じさせて、重厚さが余り感じられない。ここがポップスとの接点を結果的に探ろうとした80年代クリムゾンのアキレス腱だったようにも思えて感慨深いものを感じます。ここで終結とは余りにも恐ろしい。
ハードロックといわれるものの中に必ずしもハードではないものが含まれてしまうように、プログレの中にも大衆要素が紛れ込んで聴きやすさと軽薄さの紙一重のところで漂う音楽が生まれる。そしてそこに反応した新しいファン層が原点に触れる機会を得る、そんな感じでしょうか。
いずれにせよ興味深く聴けたライブでした。