コーネリアス『あなたがいるなら』

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コーネリアスの久々の新作もまずはアナログ7インチでシングルが切られました。これ、もしかして潮流ですね。アナログ復刻。プレーヤー持っといてホントに良かった。

まず驚いたのはそのリズムの遅さ。ゆっくりとしたバスドラのビートで幕を開けますが、何故かA面は33回転、B面は45回転という変則的な仕様なので、最初は回転数を間違えたかと錯覚した程。間もなくボーカルが入るのでそこは正しいことが判明するんですが、このあたりもアナログならではのトラップを仕掛けられているようで楽しめます。

作詞は例によって坂本慎太郎小山田圭吾の歌はうまくなりましたね。この傾向は一連の攻殻機動隊のプロデュース作品で他人に歌わせている楽曲が持つテイストと地続きで、それを満を持して本人が歌ったといった趣です。

コーネリアス砂原良徳には時代の空気を読むための指標となる音を先導して指し示してもらっているんですが、ここへ来てのこのスローな雰囲気、じわりと押してくるような柔らかいビート感覚は強烈なイメージを残します。一時期、音が賑やかになってきたように思えたんですが、また重厚な引き算をなされたような気がしてハッとさせられます。