カーペンターズ『Close To You』

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カーペンターズをはじめとしたソフトロック系の音は耳に馴染みやすくてスッと入ってくる割にはアレンジが凝りに凝っていてなかなかに見逃せないという厄介な代物です。こちらは70年リリースの2nd、カーペンターズ出世作ですが、今となってはロジャー・ニコルズやパレードみたいな音、バカラックのクオリティを楽曲越しに見る、といった身構えが聴く側にもできてきていて、深読みすればきりがない作品になりつつあります。

でも端的に情報を知らずにいた頃、カーペンターズというのは物凄く昔の、下手をすればビートルズ以前のモータウンみたいな時期のグループだと思っていたフシがあって、それが60年代の狂騒を経た上で70年代の初頭にキャロル・キングジェームス・テイラーなんかと共に時代を癒す役割でスターダムにのし上がっていった、等とは露程も思いませんでした。

「We've Only Just Begun」「Close To You」といった超有名曲に挟まって各曲ともオーラを発していますが、結構な凝り様が伝わってくる作品で意外と暗めの表現も多いように思います。ブレイクして型にはまる前の瑞々しさを兼ね備えた時期の作品、といったところでしょうか。