丁度27年前の今日、1990年5月21日に発売になった、初期活動を総括するようなアルバム。ここでの編集スタイルがその後の作品に全面的かつ狂気じみた形で展開していく様を90年代は見せつけられることになるんですが、ここにその萌芽が、というより最早完成形が見て取れます。
田島貴男とはここでお別れ。既に歴代ボーカリストとしてコメントを寄せて、それを収録するという自己言及手法。このあたりの先駆けとしてもピチカートは走った。そして徹底的な軽さを持って時代に挨拶をしているかのようなある種斜に構えた態度も象徴的。しかしながらそれは今となっては結構瑞々しく聴こえます。何となくいつまでも「若僧」で実は今でもその若僧感が漂っている。田島貴男なんかはそうなんじゃないですかね。
大滝詠一の「指切り」のカバーが収録されていますが、ラストアルバムが「日本」をテーマにしていたように、そしてデビューが細野晴臣のノンスタンダードレーベルから、ということで、実ははっぴいえんどから始まる日本をテーマにした表現が、その後の海外から見た日本を形にした細野晴臣やナイアガラでドメスティックに音頭まで持ち出して活動した大滝詠一に通じるかのような形でなされている。ここは実は小西康陽の本質なんじゃないかと思います。
奥田民生がラップで参加しているのは年代的に考えるとまだユニコーン時代ということになりますか。