ピチカート・ファイヴ『ウゴウゴ・ルーガのピチカート・ファイヴ』

f:id:tyunne:20181108195817j:plain

94年というのはピチカート・ファイヴの活動がほぼピークに達していた時期で、この作品は『ボサ・ノヴァ2001』と『オーヴァードーズ』の間にリリースされています。従って勢いは半端ではありませんが、何より結果的にピチカートの代表作のようになっている「東京は夜の七時」が最高のリミックスバージョンで収録されている点が特筆すべきところ。それだけでも聴く価値ありの一枚でしたが、何故か今まで手を出さずにいました。ピチカート・ファイヴは企画物が多くて、何となくスルーしがちなんですよね。

とはいっても延々しりとりしているようなトラックははっきり言ってお遊びが過ぎる。それでどうする、という感じですが、音はこの時期らしい最高の質感。ウゴウゴルーガも当時テレビでやってましたので何となく目にはしていました。94年だから福島で観ていたのかな。

自己引用の効果は自らをブーム化するようなところがあって、あからさま過ぎると嫌味になるし繰り返されると飽きが来る。しかしまだこの頃は新鮮でしたし、サブリミナルのように時代にフレーズが吸い込まれていった。よって効果的だったと言えると思います。でもやっぱり翌年の95年以降は失速していったんじゃないかなあ。頂点はやっぱり『オーヴァードーズ』だと思います。