坂本龍一『FIELD WORK + STEPPIN' INTO ASIA』

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どちらも85年にリリースされているシングル曲ですが、アナログでしか持ってなかったのでたまにターンテーブルに乗せて聴くことはありましたが基本的にはその程度でした。そうしたら先日まとめて坂本龍一関連の中古が出ていた際に見つけたのが2in1のCDでした。こんなの出てたんですね。

いずれも今から32年前ということで、そもそも同じ年に出ていたという感覚が余りありませんでしたが、『FIELD WORK』の方はトーマス・ドルビーとの共作、『STEPPIN' INTO ASIA』の方はサウンドストリートのデモコーナーに投稿してきたラップを元に作り上げられた作品、ということでいずれも懐かしいですが、不思議と音は余り古びていません。『STEPPIN' INTO ASIA』はピクチャーシングルだったので音が悪かったですから、きちんとした音で聴いたのはこれが初めてかもしれません。

『FIELD WORK』の収録曲に「Exhibition」というインストがありますが、この系統の曲は『千のナイフ』の「アイランド・オヴ・ウッズ」や『音楽図鑑』の「Replica」にも通じる非常に映像的な、まるで絵画のような音世界で結構気に入っていました。15分もあったんですね。今回久々に通して聴きましたが、電子音のズレなんかは最新作の『async』にも通じるものがあります。

一方『STEPPIN' INTO ASIA』の方は英語以外のラップということで『CHASM』の「undercooled」にも通じるし、87年に発表されている鈴木さえ子の『スタジオ・ロマンチスト』ではフランス語のラップもありました。しかし当時としては耳に新しいアプローチでしたので、とても驚いたと同時に自然に耳に入ってきた新鮮さもあったように感じます。