坂本龍一プロデュース作品をリリースしていることは知っていましたが、ずっとスルーしてきていて、しばらく前から中古を探していたところでした。つい先日たまたま見つけたので聞いてみましたが、なかなか良い作品ですね。こちらは99年リリースで、3部作の最後の作品のようです。
90年代の坂本龍一自体をあまり真面目に聴いていなかったので、いわんやプロデュース作品をや、といった感じなんですが、今はやっと耳がフラットになってきて、素直に音に向き合えるようになってきました。音色含めてとてもいいと思うし、適度にポップでクールな音像、コンセプトが私生活だからかもしれませんが、本人の実際の声をコラージュして背景音と合わせるようなインタールードも入っていて、内容的にはザ・芸能人のアルバム、というよりもアート作品のようになっています。坂本龍一色が思った以上に強い。
鈴木慶一がプロデュースした原田知世のような相乗効果は生まれていないと思いますし、ご本人自身の活動がその後コンスタントに行われたかどうかも余り伝わってこないので、左程音楽というものにのめり込んでいないのかもしれませんが、ここでの音の出し方はとても自然で究極です。このまま行ったら凄かったんでしょうが、ここが限界だったのかもしれませんね。いずれにせよ、きちんと聴くべき音楽でした。失礼しました。
