フランク・ザッパ『Halloween 77』

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本日から1週間の休暇に入りますが、丁度タイミング良く注文していたザッパ関連の諸作が届きました。中でも圧倒的なのがこの3枚組ですが、恐ろしいことにUSBで当時の公演をすべて納めたセットもリリースされています。さすがにこれには手を出しませんでしたが、いくら伝説の公演とはいえ凄まじいことをやってくれます。ザッパにしろキング・クリムゾンにしろ、強烈なリリースが続いていますね。

先日たまたまマイルス・デイヴィスジェームス・ブラウンの伝記映画を同時に観たんですが、ザッパにも共通するバンドメンバーへの厳しい要求とカリスマ性で集団を牽引していく流れが分かりやすく見て取れました。ザッパの場合ドラッグには手を出しませんでしたので、晩年でもマイルスやJBのように犯罪者一歩手前になるような悲しいことはありませんでしたが、音楽に対するあくなき探究心と、半ば軍隊のような集団統制、自らの自信に基づく高圧的な態度などには共通点は多かったんだろうと推測できます。

本作は作品でいえば『Baby Snakes』に収録された音源の完全版で、公演自体は77年10月31日、ハロウィーンの当日、ニューヨーク公演最終日のもので、恐らくは全曲をCD3枚組で収録しているものと思われます。各ディスク70分の猛烈な収録時間。先日聴いた細野晴臣の作品は2枚組でしたが、2枚合わせても本作の1枚分にも収録時間が及ばないというこの落差。聴くのにパワーがいる作品です。しかしクオリティは素晴らしい。

メンバー的にはエイドリアン・ブリューテリー・ボジオ、パトリック・オハーン等を擁するテクニシャン集団で、演奏もタイト。ザッパのギターも絶好調です。『Baby Snakes』は映画にもなっているので、この機会に見直してみようかなと思っています。