フランク・ザッパ『Hot Rats』

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ユニバーサルに版権が移った後のリイシューでアナログマスターが使用されているという噂は耳にしていましたが、実際に聴いたのはApple Musicが初めてでした。今回満を持してのCD購入でじっくり聴けることになりましたが、いやあ違いますね。多少くぐもった音ではありますが、迫力がある。初期作品のCD再発時のザッパの音の差し替えは恐らくは当時のリスナーにも様々な反響を呼んだと推測しますが、やっぱりオリジナルはいい。それに尽きるんだと思うんです。

実際自分などは後追いのリスナーですので初体験が既に手を入れた再発の音だった訳で、その印象が強いのは否めません。でもこうしてオリジナルの音を聴くと、やはりその迫力と差異に圧倒されます。これは『We Are Only In It For The Money』でも『Crusing With Ruben & The Jets』でも一緒でした。その2作はオリジナルのアナログで楽しんでいましたが、この『Hot Rats』だけは何故かそうしていなかった。主に違いが話題になったのが前述の2作だからだった、というのもありますが、きっと再発時のクオリティが本作はそこそこ高かったから左程騒がれなかったのかもしれません。一聴して改善点が多く見受けられますので。

とはいえロウファイの魅力は捨て難く、ここで骨董品や化石に触れるような気持ちで原点に接するのも(ザッパの意志には反するかもしれませんが)一興といえると思います。