XTC『Black Sea』

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今週末にアンディ・パートリッジの著作も発売されるということで久しぶりに盛り上がっているXTC関連ですが、『Black Sea』のCD+Bluray再発盤もリリースされました。『Black Sea』の場合、XTCの数ある作品の中でも名作と謳われることが多いのは周知の事実ですが、自分は最高傑作は次作の『English Settlements』だと思うので、本作はそこに到るまでの過程としていつも聴いています。とは言えスティーヴ・リリーホワイトのプロデュースは圧倒的だし、楽曲にも勢いがあってとても良い作品であることは明白なんですが、如何せんまだ幼稚な部分が若干残っている。それは聴けば分かることなんですが、それを超えて勢いに持っていかれるのもまた事実です。

一番好きな曲は「Rocket From A Bottle」で、「Towers of London」に負けないくらいカッコいいと思います。「Paper And Iron」も最初に聴いたときは痺れたなあ。ラストの「Travels In Nihilon」の恐ろしさにも震えました。いずれにしろ必聴であることは間違いありません。同時期のアウトテイク「Don’t Lose Your Temper」も傑作で、本当にアンディ・パートリッジという人は天才だとつくづく思います。

未発表曲の内、「Pearl」はなかなかいい曲。「Ban The Bomb」はコリン・ムールディングらしい曲ですが、雰囲気がまるでジョン・レノンの「Give Peace A Chance」かボンゾ・ドッグ・バンドのニール・イネスのようでもあります。それにしてもこの時期の未発表曲がまだ残っているとは驚きです。

例によって5.1chは老後のお楽しみということですぐに体験することは出来ませんが、少なくともソニー製のブルーレイ・プレーヤーで再生できただけでも感謝しなければいけないでしょう。後は今週出る著作を楽しみに待つとしますか。