石野卓球『ACID TEKNO DISKO BEATZ』

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石野卓球の新作が届きました。前作が久々のリリースで意欲作だったのに対し、今回は短いインターバルで、かつ自身の8枚組BOXも直後に出すというラッシュぶり。絶好調なんでしょうか。

新作の方はというと、ここ最近あったコンパクトな作りから一転、長尺の曲が並ぶ従来スタイルに戻ったような印象です。しかしあくまで音はシンプル。ストイックとはまた違う、ポップなシンプルさ、といった具合です。

前作もそうでしたが、ここ最近の石野卓球の音楽は意図的にBGM化されていて、聴く側の思い込みを排除する平坦な音で構成されているように思います。これがいいのか悪いのか。聴きやすさ、ということなんですが、決して悪いことではないように思う反面、没入度、恍惚度が低いとリピートされないようにも思います。耳を通り過ぎていってしまう。

実はそこに意味があって、などというメタな姿勢もあり得るとは思うんですが、端的に印象に残らないように進化していってしまうとちょっと残念かな。杞憂に終わるようにも思いますが。

ライディーン」みたいな「RydoOn/雷曇」が少しだけ気に入りました。ラスト3曲はビートが立っていていいですね。