ラダ・クリシュナ・テンプル『The Radha Krisna Temple』

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ヒンズー教の宗教音楽ということでかなり難易度の高いものを想像していましたが、意外と普通のポップスに仕上がっていて少し安心しました。これもジョージ・ハリスンのプロデュースの賜物でしょうか。

「ハリ・クリシュナ」みたいな言葉はジョージの「My Sweet Road」なんかにも登場するフレーズですので、何らかのインド趣味が高じて宗教音楽の紹介にまで至ったという感じなんでしょう。何でもありのアップルレコードならではの作品ということも出来ますが、恐らくは二度と聴くことはない類の作品だと思います。

「紹介してどうする」という感じもしますが、思えば90年代以降、ワールド・ミュージックが世の中を駆け巡った訳で、そうした意味では先見の明があったとも言えるでしょう。単純に個人的趣味、という感覚もありつつ、西洋音楽の常識にはないタイプの音を大衆に開かれたゲートウェイを通して世に広めていく。それは単に音楽的に。

基本はメインの人がメロディーを歌って、その後に複数のコーラスが追従する、という形式でほぼ統一されていて、繰り返しの覚醒効果がありそうな感覚です。ジョージの音楽の元ネタにある現ナマを見せられたような、不思議な感覚の、かつそんなに聴きにくくない音楽、といったところでしょうか。