トーマス・ドルビー『Astronauts & Heretics』

f:id:tyunne:20181111110159j:plain

92年リリースのこの4作目も全く存在を知りませんでした。前作から4年のブランク。そこで差し出されたのは数々のゲストを迎えた作品。しかしこの熱量のなさ、クールな佇まい、というより落ち着きは一体何でしょう。

喧騒に身を置くことを自ら拒否して裏方に徹した男。何となくトーマス・ドルビーにはそんなイメージがつきまといます。シーンから姿を消したのもきっと自らの意思で、そこで間隔をおいてポツポツと発表される作品は見事に閉じている。

この作品なんかはエディ・リーダーやエディ・ヴァン・ヘイレン、ジェリー・ガルシアまでもが参加しているにもかかわらずこの存在感のなさ。この辺の使い方もやっぱりちょっと坂本龍一のゲスト起用のやり方に似ていますね。パッケージに綺麗に包み込んでしまう。

謎の多い人ですが、作品は地味だけれども聴きやすくて自分は結構好きです。耳には心地よいですね。