鈴木慶一プロデュース3部作のラスト。95年リリースということは、年代的には『ムーンライダーズの夜』の年。20周年一歩手前。ハイジャック事件があった年。その少し前にリリースされています。
全面鈴木慶一プロデュースということで、その色が濃く、ほとんど共作に近い。音の方は少し東欧の雰囲気も漂わせつつ、無国籍で密室的。ただ、原田知世の声が爽やかなので、決して閉塞感はなくて、いい具合にポップスとして開かれています。しかしながら、一体当時どんな人がこれを聴いていたんだろう。普通の人にはちょっと難しく映るような気がします。
『Garden』はリアルタイムで買いましたが、『カコ』は先日やっと聴いて、本作に至っては今聴いているということで、3部作の中に大分タイムラグがありますが、基本はその3つは地続きで、どんどんと進化していたのではないでしょうか。
でもこれが最後だとすると、ちょっとオーバープロデュースかもしれないなあ。『Garden』の初々しい感じが一番良かったかもしれません。勿論この作品もいいんですが。少し聴き込みたいですね。