エルヴィス・コステロ & アラン・トゥーサン『The River In Reverse』

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06年リリースのエルヴィス・コステロアラン・トゥーサンの共作。丁度この直前にハリケーンカトリーナ」のニューオーリンズ襲来が起きて、その支援も込めて制作された作品です。福島でも同様な作品が作られても良さそうなものですが、やはり音楽の土壌として世界に及ぼす影響力はニューオーリンズの場合圧倒的ですので、単純比較してはいけませんね。

 

コステロバカラックポール・マッカートニー等、大物とのコラボレーションが多い人ですが、このアラン・トゥーサンとの共作もとても心地良い出来栄えです。そしてプロデュースがジョー・ヘンリーということで、最近細野晴臣がラジオ番組で特集したばかり。その後、ジョー・ヘンリーのソロ作を探していますが、何と言ってもその音作り、音場が今の着目点なので、今年の『HOSONO HOUSE』再録作品には期待することが大きい。細野さんがまた「音」について興味を抱いている。この事実は一部でとても話題になっています。「Daisy Holiday」でその片鱗はうかがえますね。

 

付属のDVDにはニューオーリンズでの録音風景が刻まれていて、災害後の記録という意味でもアラン・トゥーサンのコメントがとても貴重な価値を残しています。「家に刻まれている人の思い」みたいな話は被災地に共通のメランコリーを彷彿とさせるし、あくまでも前向きに「必ず復興する」と言い切る姿勢や、音楽がそこで果たす役割、といった後々も考えさせられることばかりの記録作品として、後世に燦然と輝く内容になっていると思います。