大滝詠一『NIAGARA CONCERT '83』disc 3 DVD THE FIRST NIAGARA TOUR 1977/6/20 渋谷公会堂

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最後は77年のファースト・ナイアガラ・ツアーのプロモーション・フィルムですが、これは凄い。大滝詠一が動いているだけで凄いですが、当時のナイアガラ・レーベルの全貌を明らかにするような強烈なラインアップで観る者の度肝を抜いてくれます。

 

シリア・ポールの「夢で逢えたら」も観ることが出来ますし、ラストは布谷文夫の「ナイアガラ音頭」で締められる。布谷文夫ってこんなに若かったんだ。シリア・ポールも可愛いなあ。大滝さんは照れてしまって目を合わせられていないですね。

 

たった26分の映像ではありますが、これは映画のようです。既にビートルズなどが実現していた音楽映画を日本版にしたかのような、記録映像として後世に残すことを最初から意識していたかのような。ドキュメンタリー的に別風景で語りを入れたり、ナイアガラの滝をバックにロゴを出すブランド映像のようなものをラストに配したり、コンサートの舞台裏でのPA機材に座るご本人の映像を挟み込んだり、と演出も多彩です。フランク・ザッパの『ROXY THE MOVIE』のようでもありますね。

 

大滝詠一が映像作品に意識的であったとは思えないので、こうした記録が逆説的に貴重になっていきますが、こんなにもサービス精神旺盛なステージをこなしていたという事実に驚愕してしまいます。何でもコンサート自体は30曲も演奏されたとか。

 

今回の復刻でライブ音源が圧倒的なクオリティで残されていることが判明しましたので、今後の展開が非常に楽しみになりました。フル音源が各々世に出てきたらさぞかし幸せな時間が過ごせるだろうと思います。その後何度も1枚目のディスクを聴いていますが、やはり心地いいんですね。ポップスとして時を超えていると思います。