ジョー・ヘンリー『Civilians』

f:id:tyunne:20190503052634j:plain


細野晴臣が『HOCHONO HOUSE』を制作している時に、ラジオ番組で語っていたジョー・ヘンリーの作品。厳密にはプロデュース作品と共に紹介していたんですが、この作品はミュージック・マガジンの2007年ベスト・アルバムでも1位だったので気になってはいました。その後中古屋を探していてやっと見つけた次第です。

 

細野晴臣アメリカ・ルーツ志向というのは久保田麻琴とのハリー&マックやトリビュート盤でのジョン・セバスチャンによるカバー曲などで折に触れて味わうことができましたが、やはり源流にはヴァン・ダイク・パークスがいて、本作にも一部ピアノで参加しています。こうしたディスカバー・アメリカのベクトルが底流でずっと流れていて、それは非常に緩やかですがカッコいい音です。

 

ここで聴こえてくる音が一時期からの細野晴臣のカントリー志向に影響しているのは勿論、何よりもその「音」がやっぱり素晴らしい。スタジオ全体での音の「鳴り」をパッケージしたような、立体的で奥行きのある音像。内容よりもその音に着目して音楽を聴くというのが職業的で渋いですね。これはしばらく味わえそうです。