あがた森魚『ギネオベルデ(青いバナナ)』

f:id:tyunne:20190506050331j:plain


2000年以降のあがた森魚は傑作しか作っていないそうですが、こちらは2004年の作品。ドミニカで録音したラテンに接近した音楽でした。

 

昨今のあがた森魚の多作振りは目を見張るものがあって、ご本人曰く2020年までの20年で毎年必ず作品をリリースしていく方針で活動していく模様。従来の大正昭和初期のロマンをベースにしつつ表現の形式は様々なスタイルで変化していく。この妄想力についていくのは非常にしんどいと思います。

 

これだけ様々な形で表現形式が変化していくというのは、良し悪しよりもまずそのパワーにひれ伏してしまう。凄いですね。先日遠藤賢司と並列してあがた森魚に言及しましたが、あがた森魚の方が音楽的だと思います。言葉の力も強いんですが、それ以上に音楽の形態が多様です。

 

ここで奏でられるラテンの音楽は、それそのものの魅力がある以前にプラットフォームとしてのあがた森魚の才能が多様で多作である中の一部分、一側面という色合いが強い。それは20年単位で振り返った時にそのように捉えることができるという壮大な時間感覚でそう言えるのです。強烈な人だ。