ビートニクス『NIGHT OF THE BEAT GENERATION』disc 1

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2018年にリリースされたビートニクスの新作『EXITENTIALIST A XIE XIE』の発売を記念して行われたライブの音源がリリースされました。昨年アナログでこのライブはリリースされていましたが、ちょっと高くて手が出せませんでした。こうして完全版としてCDでリリースされましたので、非常に助かります。

 

ビートニクスは81年の1st『出口主義』の先鋭的でいてなおかつポップ、という強烈な印象と、うって変わって2nd『EXITENTIALIST A GO GO』での分かりやすいポップスでその振り幅の大きさを両極端で示して、その世界観はもはや終了したかに思われていました。

 

しかしその後も不定期に活動は続いて、いまだに新作が届けられている。これはもう高橋幸宏鈴木慶一のお二方の長きに渡る友人関係が音となって現れているだけのような気もします。もうここへ来てコンセプトも何もなくて、ただお互いの信頼関係で続いている。

 

ただ、双方ともパーマネントなバンドがなくなった今、奏でられる音が非常にバンド然としているのが印象的です。このライブもとても「バンドの音」として聴こえました。そして、もしかしたら最初からビートニクスはユニットというよりバンドだったのではないか、と思い始めたところです。

 

クラフトワークの最近の活動は、過去の作品群を現在の音にアップデートする試みとして大変歴史的価値の高いものとなっていますが、このビートニクスのライブ盤でも過去の楽曲がアップデートされてとても良い音で鳴っている印象を受けました。「River In The Ocean」「Common Man」なんかもいいですが、「Now And Then」が今のところ一番いいですね。音がきらびやかで品があって今の楽曲として蘇っている気がします。