ナッズ『Nazz Nazz』

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トッド・ラングレンが在籍したナッズの69年リリースの2nd。トッド・ラングレンは先頃来日しましたが、迷いに迷って結局自分はコンサートには行きませんでした。しかしながら、50年の活動を総括する内容、との触れ込み通り、内容は素晴らしかったようで、特に渋い選曲もなされていたご様子。非常に後悔。ただ、何らかの形で映像商品化されるようですので、そちらを楽しみに待ちたいと思います。

 

先日3rdは聴きましたが、本当はこの2ndと一緒に2枚組にするはずだったとのこと。その背景にビートルズのホワイト・アルバムがあったというのは知りませんでした。考えてみれば録音・発表時期が68年、69年といったところですので、ビートルズとナッズの活動期間は被っているわけです。後から影響を受ける、というよりこの辺は同時進行で進んでいたんですね。

 

この2ndは全曲トッドの作品となっていて、もう既にこの頃からワンマンになっていたことが窺えますが、どうもそれは製作過程でトッド中心になっていったことで、バンド解散の引き金になり、しかもこの2nd発売時には既にトッドはバンドを脱退している、という状況にあったようです。

 

聴いた印象は「3rdの方がいいなあ」というものでした。この2ndはちょっとトッドのメロディアスな魅力があまり前面に出ていないように感じたんですが、それもそのはず、トッドはもうバンドにいなかったので、選曲に関わっていないわけです。トッドの魅力はハードな面とメロウな面が同居しているマルチな才能にあるわけで、この2ndではその一側面が強調されてしまっているように見受けられます。その分まとまりはいいですが。

 

それにしてもナッズがここまでの完成度を既に誇っていたというのは長年の盲点でした。後は1stを探していきたいと思います。