フリッパーズ・ギター『The Lost Picture, Original Clips & Cms + Testament TFG Television Service』

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フリッパーズ・ギターの映像集がDVDにまとまって再発されました。きちんと観るのはこれが初めてです。

 

フリッパーズ・ギターを知ったのはご多聞に漏れず「恋とマシンガン」がドラマの主題歌だったことと、「星の彼方へ」がCMタイアップ曲だったこと。中でも「星の彼方へ」の方は作品を購入する契機となる引力がありました。

 

今回観た中でも一番最後にある楽曲なので、抜群の孤独感が出ています。全般的に観ていて90年代初頭の浮かれた雰囲気には戻れないし戻りたくもないなあ、という感覚を抱きながら鑑賞していたんですが、最後に配されたこの曲の佇まいから感じられる虚無感は、今に唯一繋がるムードだなと感じました。

 

小沢健二小山田圭吾が一緒にいたなんてことは今からは想像がつきにくいし、そこに伝説を付与する言説も安易だなと考えてしまいますが、少なくともお二人ともいい男で、観ていて飽きないのは何となく理解できます。

 

ただ、フリッパーズ・ギターには生意気な印象があって、威勢のいいスノッブが言葉で権威を罵倒していたような固定観念が拭えない。そこは若気の至りで既に改めた振る舞いですが、観ていて痛々しいのは時代のせいばかりではないと思います。