あがた森魚『誰もがエリカを愛してる』

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21世紀に入ってからのあがた森魚は傑作しか作っていない、ということで、こちらは2011年にリリースされた刺激的なタイトルの作品です。やはり沢尻エリカの名前を使うのに許可を得るのが時間を要して、前作の内田裕也をモチーフにした作品から若干の間が空いたとのこと。本当は2作同時に出したかったようですね。

 

とはいえ、沢尻エリカ、というのは当時「別に」発言で盛り上がっていたからアイコンとして使っただけで、作品の内容はタンゴの再来となっています。『バンドネオンの豹』は学生時代にレンタルで借りて聴いた覚えがありますが、そこから20年近く時間を置いての再アプローチ。しかしあがた森魚の手にかかると何でもあがた節になってしまって、もはやジャンルは関係なくなってきてしまいます。

 

どの曲も語るように歌われて、音に説得力があってとても骨太ですが、このテンションでずっと21世紀を駆け抜けているのは物凄いパワーだし、とてもじゃないけどついていけない。本当に凄い人だなあ、といつも聴くたびに思います。