スクリッティ・ポリッティ『Songs to Remember』

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82年にリリースされたスクリッティ・ポリッティの1st。ずっと手を伸ばさずに来ましたが、一時期、坂本龍一サウンドストリートの音源を聴いていた際にこのアルバムからの曲がかかっていたのをきっかけに「一度は聴かねば」と思っていました。

 

日本でのスクリッティ・ポリッティの受容は、このサウンドストリートの影響が非常に大きいと思います。実際、84年から怒涛のように快進撃を遂げるスクリッティ・ポリッティの12インチシングルは、ほとんどこのサウンドストリートで耳にしました。「Wood Beez」の衝撃は本当に大きかったし、その後も立て続けにリリースされたシングルはどれも極上。かつ、グリーンの来日時にはゲストにまで呼んでしまっています。スクリッティ・ポリッティの人気に火をつけたのは間違いなく坂本龍一だと思います。

 

かく言う自分も御多分に漏れずサウンドストリートで聴いた新曲の12インチシングルを次々と手にしていた訳ですが、この1stだけは手にしていませんでした。実際聴いてみると後の音楽に繋がる萌芽はありますね。既にソウル方向にベクトルが向いている気がします。

 

全体を覆う雰囲気はやはりまだニューウェイヴの感じが強いですし、ラストの「The Sweetest Girl」ではロバート・ワイアットがキーボードで参加している。従って、少し暗めな感覚もあるんですが、充分にポップだと感じました。その後の弾け方が凄かっただけに、前史と捉えられるのも止む無しかとは思いますが。