YMO『WINTER LIVE 1981』

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中期YMOのライブ映像がやっとブルーレイ化されました。これで長く続いたYMO40周年も幕を閉じるんだと思います。まずはめでたい。

 

映像は当時VHSで購入しました。今でも部屋にはありますが、当然既にプレーヤーがないので観ることができません。ただ、今は映像がYouTubeに上がっていたりもするので、観たい時に観ることはできるんですが、やはりそれでは仕方ない。こうして正式に再発されることは喜ばしい限りです。かつ、音の方は砂原良徳がリマスターを手掛けているという豪華さ。今回は音もじっくり聴くことにしました。

 

観始めてまず軽く驚いたのが画面が4:3だということ。当たり前なんですが、ちょっと不意打ちにあったような気分になりました。これが40年という時を経た証拠なのか。ただ、観ていくと左程サイズのことは気にはなりません。むしろ前半のステージの暗さ。当時はこれも当たり前ですがステージにスクリーンなどありませんので、徹底的に簡素に見えてしまいます。しかも前半はステージセットにメンバーも隠れてしまっていて、それはそれで前衛的なんですが、観ている方はちょっと不満だったんじゃないかと思います。

 

演奏される楽曲の中では「階段」と「音楽の計画」が肉感的でいいですね。ドラムが入るとやはりいいのかな。映像もきっちり演奏を映していて、とてもカッコいいです。全体的に色々な映像素材をインサートしながら進む作品なんですが、この2曲はシンプルな映像となっています。

 

「プロローグ」で始まって「エピローグ」で終わる。かつ工場の映像などを使いながら、ロシア構成主義的な雰囲気を醸し出していく。この辺りはとてもクールで、当時から印象的でした。唯一メンバーのショットが少し時代を感じさせてしまうのと、「体操」での演出が残念なところです。こうした演劇的な要素というのがスネークマンショー、SET、細野晴臣イエローマジックショーへと延々と続いていくんですね。もうこうしたことも一つの要素として捉えてしまった方が良い。「興業なんだ」という割り切りのようなものかもしれません。

 

ボーナストラックで当時のMVが収録されていますので、これから観てみようと思います。しかし映像作品が時代を超えるというのは本当に難しいことなんだな、と改めて感じました。情報量が多いだけにどうしてもその時代を映し出してしまいますね。