ムーンライダーズ『1980.2.23 リサイタル MODERN MUSICの彼方』disc 2

f:id:tyunne:20200229090900j:plain

後半は「モダーン・ラヴァーズ」から始まりますが、これなんかも最近の演奏と言われても左程違和感がないような印象です。いずれもリズムがタイトだということが共通点。ライブを重ねて演奏力が上がっていたんでしょう。そして電子音に全面的に依存する前の音楽。それが肉感的に聴こえる理由だと思います。

 

ラストの「火の玉ボーイ」には曲名を告げた直後に拍手と歓声が上がりますが、それを裏切るかのような轟音ギターのノイズ。これは観客も唖然としたと思います。まるでフランク・ザッパの『いたち野郎』のエンディングのようです。

 

こうした昔からのファンを裏切るかのような振る舞いが、姿を変えていくバンドの変わり目としての所作だった。そして、それから30年経って、バンドはまた初期の楽曲に回帰していく。それは単なる回帰というより、進化した帰還というべきかもしれません。