フランク・ザッパ『Them Or Us』

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84年の作品。80年代のザッパをきちんと聴いていく試みの道半ばですが、この作品もどうしても「Be In My Video」のようなボーカルナンバーの印象が強くて避けて通っていました。

 

でも聴いてみると結構ギターソロの比率が高い。これは見落としていました。大好物がたくさん詰まっています。元々80年代は『Shut Up'n Play Yer Guitar』でスタートした時代ですから、ザッパのギターはここでも弾きまくっている。

 

自分はディスクリート時代の70年代のザッパのギターに惚れ惚れしていたので、80年代は少し遠ざけていた感があるんですが、ザッパ自身は80年代になって初めて自らのギターテクニックに自信が出た、というような発言もありましたので、やはりここはきちんと聴いていくべきだと思います。

 

元々本作はLPでは2枚組ですが、全体を聴いた印象は、まるで一本のライブを観たような感覚です。その後のライブ音源をまとめた作品で結構聴いたような楽曲も入っていますし、ボーカルナンバーからギターソロまでバラエティに富んだ構成となっていますので、コンセプトアルバムというよりは総集編に近い。その後の『オンステージ』シリーズを聴いているかのようです。『シーク・ヤブーティ』なんかにも印象が近いかな。いずれにせよ、ここは見落としていました。やっと聴けて満足です。