マイルス・デイヴィス『Bags' Groove』

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「俺のソロのバックでピアノを弾くな」とマイルスはセロニアス・モンクに言ったそうですが、果たしてどんな激しいセッションなのかと覚悟してこのアルバムを聴きました。そうしたら、意外とひんやりとしたクールな演奏だったので少し拍子抜けしました。テンポも遅めて、どちらかというとこの緊張感が喧嘩セッションの特徴なのかもしれません。

 

ということで、A面にこの喧嘩セッション、B面はソニー・ロリンズとの共演を収めた54年録音のアルバムですが、55年結成のオリジナル・クインテットより前の演奏を聴くのはこれが初めてなので、どんな感じなのか興味深く聴きました。

 

若干音が硬い感じはしますが、B面のセッションは非常に楽しく聴けました。「Airegin」なんかは『Cookin'』でも聴いていた曲なので、比較するとオリジナル・クインテットの演奏がいかに洗練されているかが分かります。

 

改めてマイルスに戻ってみると、マイルスのトランペットの音色はやはりいいですね。とても丁寧で綺麗な音がしていると思います。